僕と日本共産党(3)「え?あなたも、君も?」
そして例の「平和問題研究会」の面々とも。
あの時、僕を感服させたメイン・スピーカーのKさんは、実際には非常にサバけた愉快な人だった。歌が得意でいつもすぐにビートルズ、ストーンズ、ビリー・ジョエルなどを歌いだし、僕にギターで伴奏させた。みんなの兄貴のような存在だった。「杉山、ちょっと大事な話があるから、ギター持って来てくれ!」などと電話があると喜んで飛んで行ったものだ。
僕は彼らの勉強熱心さや、「世の中を良くしたい。核兵器をなくしたい。」という理想主義的なところや、周囲の人たちへの献身性などに大いに感心し、ほとんど尊敬の念を抱いていた。
そんなある日、学友会の委員長だったTさん(現在は党国際委員会事務局長!)からだしぬけに「杉山も日本共産党に入らないか」と言われたのだった。
「え、共産党に?Tさん、党員なんですか?学生がそんなとこに入っていいんですか?」虚を突かれ、そんな反応しかできなかった。
「杉山君、実は僕も党員なんだ」
「おれも。」
「黙ってたけど、私も・・。」
周りにいた仲間が次々に告白し始めた。
いつの間にか僕は包囲されていたのだ。
こりゃ、逃げる道はないな、と直感した。なにしろ、信頼できる、尊敬できる仲間がみんな日本共産党員だというのだから・・・。
こうして僕は20歳の時に入党し、東京外語大の支部員となった。
(つづく)
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