いよいよ開票日!
テレビの映像をプロジェクターでスクリーンに映し出すつもりらしいが、配線がうまくいかず、みんなでコネクターを分解したり、テレビ線をちょん切り絶縁テープで巻いたりと悪戦苦闘している。
「メスーメスのケーブル、誰か買ってこい!」などと叫ぶ人も。速報が始まるまでに映せるのか、と不安になるが、こんなところもわが党らしいとも言える。
結局8時ギリギリになんとか間に合う。マスコミの人もホッと安堵。
そしてのっけから「出口調査の時点で当確が出ております!」と言って、「3区のみのり川信英さん、当選確実です!」
全く不意打ちだった。早すぎる。会場がシーンとなった。カメラが僕の表情を捉え始める。
でも自分でも意外なほど冷静にしゃべり始めた。初めての選挙であり、自分が候補者として未熟だったこと。主張を全市民に浸透させていくことの難しさ。10代など若い層に比較的支持があったのは、ネットで見つけてくれて、純粋に政策で比較してくれたためではないか。60代の支持が厚かったのは、農村・郡部で出会ったたくさんの現役の農家の方たちを思い起こさせた。農民の怒りはやはり大きい。自分の主張自体は、大多数の市民に歓迎されるものだったと信じる・・など。
「杉山さん、家が遠いんだから、もう帰ってもいいよ」と言われる。あんなにプロジェクターで苦労したのに、一瞬で終わってしまった・・。
みんな慰めてくれた。「杉山さん、よく頑張ったよ!」「俺のところにも今までにない反響あったよ!」「初めて共産党にいれたって人、いっぱいいたぞー」
藤岡さんはハグしてくれて、「落ちた者の気持ちは落ちた者にしかわからねえ」と言った。藤岡さんも先週苦杯をなめたばかりだった。
「杉山さん、がっかりすることないよ。票が出始めたけど、わが陣営が今までに見たことないような数字が出てきてるから!供託金も没収は免れそうだし。あなたの訴えはみんなに届いてるってことだよ!」これで少しは気が楽になった。
しんぶん赤旗の記事には「杉山彰候補は、前回得票の3・4倍の38118票、得票率で22・05%を獲得し、同選挙区のすべての市町村で得票数・率とも前回比で大きく伸ばしました。同時に地元の東成瀬村では11・09%を獲得するなど3区の比例票も332票伸ばし、1市をのぞき、すべての市町村で得票数・率とも前進しました。」とあった。
うちの得票をよくわかっている。そしてポケットからドリンク剤を出して僕にくれた。優しい人なのだ。
「みんな、しょうがねえな。あんな痛い目にあって、また自民や維新に勝たしちまってよぉ・・・。今度ロクさんの料理で残念会やるべぇ!」
こうして僕の「国会への道」はひとまず終わりを告げた。
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