清貧農民・杉山あきら　国会への道⑳　家族のディスタンス

もう既に栗駒山の高みは紅葉の真っ盛りだそうだ。
妻が紅葉狩りの観光客のガイドの仕事などをやっている関係で、うちの家族が須川温泉の自炊棟の部屋にタダで泊まれることになった。妻と子供たちはウキウキと「何もって行こうか」とトランプやマンガ本、食料などを選んでいる。
とは言え、僕には候補者活動がある。紅葉見物している場合ではない。予定表を見てみると「由利本荘・・西目に１０時集合」となっている。日本海を望む街だ。
「秋田の内陸の果て、岩手との県境付近と海辺の街という大変な距離に家族がへだてられてしまった・・・。」と妙な感慨にとらわれる。
午前中、にかほ市内の何か所かで街頭演説をし、象潟の道の駅で昼食（みそラーメン）。
午後は小集会に参加する。ここで出会った人たちがみんなそれぞれに面白い才覚、インテリジェンスを持った人たちで、「こういう人たちがこの遠い海辺の町にもいて、日本共産党の地道な活動をささえているんだ」としみじみ思った。
「杉山さんも遠くからきて大変だから、あまり暗くならないうちに終わりにしよう」
解散してひとり車を内陸に向けてとばす。途中ケイタイに着信があった。東由利の道の駅に寄って見てみると、妻からで、目を見張るような見事な紅葉の写真だった。