娘の意外な面
ずっと一人でいて全く苦にならないし、何かに夢中になるということもない。物欲、金銭欲と言ったものもほぼ感じられない。村のデイケアの仕事にはちゃんと行っているが、給料を貯めてどうしたいといったこともないようだ。
「やりたいことが多すぎて」困っていた、欲張りな自分にはちょっと理解できない人間だ。
「人生、燃えて生きろ!」とか言っても逆効果になりそうなので、言わずにいる。
マイクを握ると、普段とは違う良く通る声でしゃべりだした。
けっこううまいのだ。遠くで手を振ってくれている村民を見つけると「ご声援ありがとうございます!お暑い中、お仕事ご苦労様です!」と叫ぶ。よくわかっている。昔からフリートークはだめだが、スピーチや演劇はうまかったなあ・・。
なんだかんだで、全行程を声を振り絞ってやりきってくれた。
「いい声のねーちゃん、雇ったなあ」と言ってくれた人もいた。
「こいつはこういう路線で育てていくか・・。」などと思った。
実にこまめに世話をする。低血圧で朝いつもつらそうにしているのに、「ヒヨコは無事か」と言って自分から早く起きてくるようになった。
そう言えば、こいつは以前から動物にはとても親切なのだった。人間にももっと優しく接しろ、と言いたくなる。
ともかく、この路線(家畜を任す)も伸ばしていこうと心に誓った。
0コメント