清貧農民・杉山あきら 国会への道 85


 田の草取りと刈り払いの日々


 朝も5時となれば集落内のあちこちで刈り払い機の音が響く。
 中山間地の耕作放棄地の草を刈り払うのだ。この18件ほどの小さな集落にも4町歩以上の放棄田がある。みんなかなりの時間とエネルギーを投入して延々と続く草刈りを行っている。
 先人が苦労して切り拓いた農地が、何も植え付けられずにすさみっぱなしになっているのを見るのは辛い。
 食糧危機が来た時に備えて農地を維持しているという方針らしいが、だんだんギシギシが生え、イタドリが生え、カヤが生え、やがては細い柳の木が生えてくれば、もはや田んぼに戻すのは難しくなる。
 「昔は田んぼで食っていけた時代もあったんだ」と言うじいさまもいた。
 農村を粗末に扱ってきた農政への怒りを胸に抱きながら刈り払い機を振っている。
 今日は娘にも手伝わせて田の草取りをやった。
 手押しの除草機をかけ、株間は手で草を取っていく。これを7月に入るまでに2,3回くりかえす。
 20年間、除草剤を入れていないのを心の誇りとしている。




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